ブロンコス 34 - 19 ファルコンズ

SUPER BOWL XXXIII
1999年 1月 31日
 1Q2Q3Q4QTOTAL
ブロンコス71001734
ファルコンズ3301319
ブロンコス連覇達成。QBエルウェイMVPに輝く

1999年 1月 31日 - NFLの頂点を決する第33回スーパーボウルがマイアミのプロプレイヤー・スタジアムで開催された。

今年度は前年度の覇者で2年連続出場となった強豪デンバー・ブロンコスと NFC決勝で今季最多勝をマークしたヴァイキングスを破り、スーパーボウル初出場を果たした新鋭アトランタ・ファルコンズの対戦となった。

試合は序盤にファルコンズが何度かチャンスを得るが得点を逃し、ブロンコスがリード。 後半、ファルコンズは逆転を狙うが、QBチャンドラーが3シリーズ続けてインターセプトを喫するなど 得点チャンスを生かせず。ブロンコスが追加点をあげて試合を決め、史上6チーム目のスーパーボウル連覇を飾った。

ファルコンズ  1Q   9:35  M.アンダーセン 32y FG
ブロンコス   1Q   3:55  H.グリフィス 1y TDラン ( J.イーラム:GK )
ブロンコス   2Q   9:17  J.イーラム 26y FG
ブロンコス   2Q   4:54  R.スミス 80y TDキャッチ パス: J.エルウェイ ( J.イーラム:GK )
ファルコンズ  2Q   2:25  M.アンダーセン 28y FG
ブロンコス   4Q  14:56  H.グリフィス 1y TDラン ( J.イーラム:GK )
ブロンコス   4Q  11:20  J.エルウェイ 3y TDラン ( J.イーラム:GK )
ファルコンズ  4Q  11:01  T.ドワイト 94y キックオフリターンTD ( M.アンダーセン:GK )
ブロンコス   4Q   7:08  J.イーラム 37y FG
ファルコンズ  4Q   2:04  T.マチス 3y TDキャッチ パス: C.チャンドラー ( 2Pミス )
この試合が現役最後の試合となるブロンコスQBジョン・エルウェイはこの日も体調万全で先発登板。 スーパーボウル新記録の通算5試合先発登板を達成し、試合では 336y、1TDパス、1TDランを記録して、 チームを勝利に導き、MVPに輝いた。

昨年RBデービスの活躍でスーパーボウル初制覇を果たしたQBエルウェイは昨年限りでの現役引退が噂されたが、 スーパーボウル連覇の偉業を達成するために今季も現役を続行。その予告通り、ブロンコスはスーパーボウル連覇を成し遂げた。

ブロンコスのスーパーボウル連覇は 92-93年のダラス・カウボーイズ以来の出来事。 AFCチームの連覇は 78-79年のスティーラーズ以来のこととなる。

「このためにプレイしてきた。このチャンスをつかむためにやってきたのだ。2年連続でこのチャンスを生かせたことは信じ難いことだ。 16年間やって来たが、スーパーボウルに勝てるチャンスがあったはこの2年間だけだった。」(ブロンコス QB J.エルウェイ)

もし、QBエルウェイが引退を撤回し、来年プレイすることになるとブロンコスは前人未到の スーパーボウル3連覇への夢がより現実のものに近づくが、エルウェイは試合後の会見で引退についてはまだしばらく考えたいと 現時点での引退は明言しなかった。

QBエルウェイはこの試合も好調で 18/29の高確率でパスを決め、 ノーバック・5WRセットのショットガンからはファルコンズの消極的なディフェンスにもたすれられて、すべてのパスを成功させた。 試合の前半にオフェンスの主力TEシャノン・シャープを故障で欠いたが、バックアップのTEチェンバレンが穴を埋めて、 オフェンスに支障はなかった。

一方のファルコンズはスーパーボウル初出場のQBクリス・チャンドラーが低調。 ブロンコスのディフェンスライメンにパスをブロックされる場面が目立ち、3インターセプトを喫して、 ブロンコス陣 25y内に7回攻め込んだが、試合終了2分になるまでTDをあげることができなかった。

「ここでじっくりと、フィールドであったことを説明するこはできるが、そんなことをしても無駄なことだ。言い訳にしかならない。 」(ファルコンズ QB C.チャンドラー)

ファルコンズは今季スーパーボウルに勝ち上がるまでシーズンではリーグ最高のターンオーバー +20を記録し、 プレーオフでも敵からターンオーバーを奪って勝利をあげてきたが、 この試合ではブロンコスから奪ったターンオーバーを得点に結び付けられず、敵に不用意にターンオーバーを与えて、自滅する結果となった。

過去3度ブロンコス監督としてQBエルウェイとスーパーボウルに出場し、3連敗を喫したファルコンズ監督ダン・リーヴスは 今回が4度目のスーパーボウル挑戦となったが、大きなFGミスと3つのインターセプトによって今回も勝つことができなかった。 一方かつてリーヴスの元でコーチを務めた経験のあるブロンコス監督マイク・シャナハンは史上5人目のスーパーボウル連勝監督となり、 プレーオフでの成績を7勝1敗とした。

「この勝利はチームのすべての人間にとって特別なものだと思う。 これは誰か一人の人間によってなされたものではない。一人の監督が成し遂げたわけでも、 一人のクォーターバックが成し遂げたわけでもない。多くの者が同じ目標を目指してやて初めて、チャンピオオンゲームに勝てるのだ。 」(ブロンコス HC M.シャナハン)

スーパーボウルに4敗した監督はビルズのマーヴ・リーヴィー、 ヴァイキングスのバド・グラントに続き、リーヴスが史上3人目となった。

「デンバー・ブロンコスおめでとう。素晴らしいチームだ。我々は良いプレイができなかった。こっちが良いプレイをしなかったら、 チームは負けるだけだということは分かっていた。思い通りのことができなかった。」(ファルコンズ HC D.リーヴス)

ブロンコスのRBデービスはランディフェンスが強いファルコンズに対してかなり苦戦したが、 最終的に 102y走り 100yをクリア。ポストシーズン7試合連続 100yラッシュを記録した。

CBダリアン・コードンはQBチャンドラーから2インターセプトを奪い、 大事なところでファルコンズの攻撃を断ち切った。

「普通にプレイしただけだ。Dラインが良い仕事をしてチャンドラーにプレッシャーをかけて彼の判断を狂わせた。 自分はたまたま良い場所にいただけだ。」(ブロンコス CB D.ゴードン)

ファルコンズはこの試合の前日、ディフェンスバックの鍵、FSユージーン・ロビンソンが 警察に逮捕されるという事件があったが、FSロビンソンは試合に先発し、フィールドに姿を現した。

「あれは我々にショックを与えたが、試合に影響は無かった。」(ファルコンズ LB C.ベネット)

「まったく眠っていない。しかし、今夜試合になったら、試合に集中できた。今日の自分のプレイには影響しなかった。良い薬になった。 我々が試合に勝つだけの十分なプレイができなかっただけだ。」(ファルコンズ FS E.ロビンソン)

試合はまず、ブロンコスのKジェイソン・イーラムがボールをキックオフして試合開始。 ファルコンズのリターナー、ティム・ドワイトが 31yの好リターンを見せ、 ファルコンズは自陣 37yから最初の攻撃権を得た。

ファルコンズは立ち上がりRBアンダーソンにボールを持たせ、 QBチャンドラーもショートパスを決めて前進。5:25使って残り 15yの所まで来てKアンダーセンがFGを決めて先取点。 まずまずの立ち上がりを見せた。

一方のブロンコスもこの後に攻撃権を得て、QBエルウェイがパスでヤードを稼いで前進。 最後FBハワード・グリフィスがTDを決めてすかさず逆転した。しかし、この最初のシリーズで ブロンコスはTEジャノン・シャープが足を負傷。出場できなくなり、 ブロンコスはオフェンスの武器を1つ欠いて戦うことになった。

「地面に打ち付けられてすぐに良くないと分かった。ひざをけがしたので、起き上がってフィールドの外へかけでた。 また戻ろうと思ったが、ぐらついた。プレイすればきっとひどくしてしまうだろうと思った。」(ブロンコス TE S.シャープ)

その後、ファルコンズは1stダウンが取れずにパント。ブロンコスにボールを渡したが、 ブロンコスは3回目のプレイでQBエルウェイがインターセプトを喫し、ファルコンズが敵陣 35yの絶好のポジションで攻撃権を得た。 しかし、この攻撃も1stダウンが取れずに 4-and-1でギャンブル。RBアンダーソンがボールを持ったが、 ブロンコスのディフェンスに止められてターンオーバーとなった。

ブロンコスはそこからボールを得てFGを追加。 ファルコンズもFGチャンスを得たがKモーテン・アンダーセンが 26yの簡単なFGをミスし、 チームにいやな空気が漂い始めた。

「自分の責任だ。キックをミスした。少し早くボールを振り抜いてしまった。上手くやれなかった。 」(ファルコンズ K M.アンダーセン)

ブロンコスはファルコンズががっかりしている隙をついてQBエルウェイがWRロッド・スミスに 80yのロングパス。 WRロッド・スミスはファルコンズのFSユージーン・ロビンソンを振り切ってパスをキャッチ。 これをTDにつなげて点差を 14点に広げた。

「あのプレイの前に選手を一人走らせるたら、ユージーンがフィールドの真ん中から外に出ていった。 だからあのプレイはきっとオープンになると確信した。ユージーンはフラットの位置にとどまっていたので、 彼の後ろのポストの位置にレシーヴァーを走らすことができた。」(ブロンコス QB J.エルウェイ)

その後ファルコンズもTDを返したかったが1FGを追加するにとどまり、前半を終了した。

後半はブロンコスの攻撃から始まり、着実に前進してFGで更なる追加点を狙ったが、 Kイーラムが 38yFGを右に外し、失敗。ファルコンズに流れが行きかけた。

しかし、次の攻撃でファルコンズのQBチャンドラーがブロンコスのSダリアス・ジョンソンにインターセプトを奪われ、 その次の攻撃でもCBダリアス・ゴードンにインターセプトを奪われ、得点できなかった。 この間にブロンコスはFGのチャンスを得たが、Kイーラムはこの 48yFGも左に外して追加点できず。 ファルコンズにはまだ運が残っているかのように見えた。しかし、立て続けに奪われたインターセプトがすべてをふいにしまった。

試合はその後4Qに入るとブロンコスがTDで追加点。ファルコンズは3シリーズ連続となるインターセプトをCBゴードンに奪われ、 ブロンコスが駄目押しのFG。試合に決着が付いた。

ファルコンズはその次のキックオフで元気者Rティム・ドワイトが 94yキックオフリターンTDを決めるが、時既に遅し。 QBチャンドラーのTDパスも意味を為さずに試合はブロンコスの勝利で幕を閉じた。

スタッツ

ブロンコス
パス
 J.エルウェイ 18/29 336y
 1インターセプト, 1TD
ラッシュ
 T.デービス 25/102y
 H.グリフィス 4/9y
 D.ロヴィル 2/8y
 J.エルウェイ 3/2y
 R.スミス 1/1y
 B.ブリスター 1/-1y 
キャッチ
 R.スミス 5/152y
 E.マキャフリー 5/72y
 B.チェンバレン 3/29y
 T.デービス 2/50y
 S.シャープ 2/26y
 H.グリフィス 1/7y 

ファルコンズ
パス
 C.チャンドラー 19/35 219y
 3インターセプト, 1TD
ラッシュ
 J.アンダーソン 18/96y
 C.チャンドラー 4/30y
 T.ドワイト 1/5y
キャッチ
 T.マチス 7/85y
 T.マーティン 5/79y
 J.アンダーソン 3/16y
 R.ハリス 2/21y
 O.J.サンチアーゴ 1/13y
 B.コズロフスキー 1/5y

ブロンコス
 1stダウン                   22
 3rdダウン成功率           6/13
 4thダウン成功率            0/1
 トータルヤード           65/457y
 平均ヤード                  7.0y
 ラッシュヤード           36/121y
 平均ラッシュヤード          3.4y
 パスヤード            18/29 336y
 平均パスヤード             11.6y
 平均パントヤード         1/35.0y
 リターンヤード              180y
 パントリターン              0/0y
 キックオフリターン         3/44y
 インターセプトリターン    3/136y
 ペナルティーヤード         4/61y
 サックによるロス            0/0y
 被インターセプト              1
 ファンブルロスト            0/0
 時間                      31:23

ファルコンズ
 1stダウン                   21
 3rdダウン成功率           5/11
 4thダウン成功率            1/2
 トータルヤード           60/337y
 平均ヤード                  5.6y
 ラッシュヤード           23/131y
 平均ラッシュヤード          5.7y
 パスヤード            19/35 206y
 平均パスヤード              5.6y
 平均パントヤード         1/39.0y
 リターンヤード              228y
 パントリターン              0/0y
 キックオフリターン        7/227y
 インターセプトリターン      1/1y
 ペナルティーヤード          0/0y
 サックによるロス           2/13y
 被インターセプト              3
 ファンブルロスト            1/1
 時間                      28:37

ファルコンズ先発
 
 WR 80 T.マーティン
 LT 70 B.ウィトフィールド
 LG 68 C.コリンズ
  C 61 R.トーベック
 RG 69 G.ウィリアムズ
 RT 74 E.サラーム
 TE 88 O.J.サンチアーゴ
 WR 81 T.マチス
 QB 12 C.チャンドラー
 RB 32 J.アンダーソン
 FB 85 B.コズロフスキー
 
  LE 92 L.アルシャンボー
  LT 98 T.ホール
  RT 75 S.ドローネット
  RE 90 C.スミス
 WLB 97 C.ベネット
 MLB 58 J.タッグル
 SLB 94 H.クロケット
 LCB 34 R.ブキャナン
 RCB 20 M.ブッカー
  SS 35 W.ホワイト
  FS 41 E.ロビンソン
 
 
ブロンコス先発
 
  WR 80 R.スミス
  LT 77 T.ジョーンズ
  LG 69 M.シュラレス
   C 66 T.ネイレン
  RG 62 D.ニール
  RT 74 H.スウェイン
  TE 84 S.シャープ
  WR 87 E.マキャフリー
  QB  7 J.エルウェイ
  RB 30 T.デービス
  FB 29 H.グリフィス
 
  LE 96 H.ハッセルベック
  LT 94 K.トレイラー
  RT 93 T.プライス
  RE 98 M.タヌヴァサ
 WLB 51 J.モブリー
 MLB 59 G.カドレス
 SLB 53 B.ロマノコフスキー
 LCB 39 R.クロケット
 RCB 21 D.ゴードン
  SS 34 T.ブラックストン
  FS 27 S.アトウォーター

開催地

フロリダ州マイアミ「プロプレイヤー・スタジアム」